男性不妊
男性不妊を考える
妊娠出産を望む女性の治療に携わっていく中で思うことは、男性側も「自分には原因はないだろうか」ときちんと考えなければいけないということです。
実際に、不妊の原因の半分は、男性にも原因があります。WHO(世界保健機構)が、7273カップルを対象に行った『不妊症の原因に関する調査』では、「男性のみに原因がある24%」「男女両方に原因がある24%」と、約半数のケースに男性不妊が関わっていることが示されました。

数年前までは、不妊治療に来院されるのは女性だけということが多かったのですが、最近は、ご夫婦で治療される方が増えてきました。とても良いことだと思います。女性だけに注目されがちな不妊治療ですが、男性も積極的に不妊治療に携わることで、より早く妊娠出産へとつながるのではと思います。
妊娠・出産のためには、ご夫婦が一緒に治療されることが理想です。男性は仕事などもあり、なかなか病院での受診ができない方も多いですが、きちんと検査してご夫婦で不妊治療に挑んでほしいと思います。
男性不妊の原因
男性不妊症は、体調やストレス、投薬などによる一時的なことが多いようです。罹患率では、ばらつきがあり、はっきりとした数字はありませんが、男性不妊となっている原因の70~90%以上は特発性造精機能障害です。「特発性造精機能障害」とは、原因がはっきりしない症状のことです。つまり、多くは投薬などで様子を見るといったことしかありません。時間ばかりが経つため、そのまま何もせずに人工授精、体外受精となることが多いのだそうです。当院に来院されるご主人は、ほとんどの方がとても疲れています。当院の治療は疲労感をとりますので、3回程度治療すると、実際に精子の運動率が大幅に上がります。ご主人も3回でよいので、しっかり治療してゆっくり休まれてから、人工授精なり体外受精をされてもいいと思います。その間に「自然妊娠しました!」という声も稀ではありません。
